読書記録:ニコニコ哲学(3/4)
126 参入障壁があって、数が少ないっていうのは重要ですよ。
128 才能は希少性ですね。 才能のレベルがとても高くても、競争相手がたくさんいるジャンルで認められるのは大変ですよね。(中略) 多様性のない社外っていうのが、一番厳しい世界なんですよ。ひとつの指標で競争させられるわけですから。
※そうか、多様性って属性のバラエティーよりも、指標のバラエティーが重要なんだ。色んな人種の理系エリートの集団よりも、単一人種の強みがバラバラな集団の方が「多様性が高い」と言えるのでは。
147 目的を持つっていうのは、人間の生きるための手段ですよね。それで、僕は、「やりたいこと」以外にも、人間が生きるための指標ってあると思っていて。僕は、プライドや自尊心の方が、より本能的なものだと思ってるんですよね。これは、「やりたいこと」がない人でも持っています。(中略)プライドや自尊心がなくなったら、人は起きて飯を食って寝るだけの生き物になってしまうでしょう。
プライドや自尊心の根底には、「承認欲求」があると思うんです。これはさらに本能的なもの。
149 「世の中を変える」ということに対するスタンスって、「必死にがんばる」はおかしいと思います。論理的に考えた美学において、醜くないスタンスは「愉快犯」しかないんです。変わらなくても別にいいけど、変わったらおもしろいじゃん、だからやる。それが僕にとっては一番倫理的に正しい、というのが結論です。
一生懸命がんばるのが正しくないというより、「一生懸命がんばるのが正しい」という価値観が正しくない。
だって、本当に欲しいものは承認だったり、優越感だったりしたはずなのに、それをこじらせている。
日本の賢い人っていうのは、だいたい省庁、商社、金融業界にいるんです。商社の人に話を聞いたとき、「僕らはなにも持っていないし、なにも生み出せないけれど、唯一持っているのがリスクを回避する能力なんです」と言っていました。 金融業も、資本主義の仕組みに寄生して利潤をあげるっていうことですよね。
でも、楽をして生きるほうがよくて、夢を追いかけるのはダメなのかっていうと、そこに「美学」ってものが出てくるんだと思います。