fact beats dreams

「理念なき行動は凶器、行動なき理念は無価値」だってさ

【読後メモ】星空の下の仕事観。

岩田さんと糸井さんの対談。 面接の本質と、会社の姿勢が語られていた。 ほんとに、入るまでが勝負じゃなくて、入ってからが長い戦いなんだし、しかも戦友になるんだから、小手先のテクニックより人間性を知りたいよな。

岩田さん、いいなあ。 http://www.1101.com/job_study/iwata/2008-04-15.html

あの、私ね、世の中の面接って、 どうして答えにくいことから 訊くのかなって思うんですよ。

私は、人と話す中で、 「なぜこの会社に入ったの?」 という質問のほかに 必ず訊くことがもうひとつあって、それは、 「いままでやってきた仕事の中で  いちばんおもしろかったことってなに?  いちばんつらかったことってなに?」 ということなんですね。 これもね、自分のことですから、答えやすいし、 なによりその人のことがわかるんです。 それって、私、これまできちんと ことばにしていなかったんですけど、 「あなたが大切にしてきたことはなんですか?」 っていうのと本質的に同じことを 訊いてたんだなって、 『はたらきたい。』を読みながら それに気づかされたたんですよ。 あ、そういうことかって。

【読後メモ】USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 第4章「戦略を学ぼう」

第4章「戦略」を学ぼう

P108

・「万卒(ばんそつ:多くの兵卒。多数の兵士は得やすく、一将は得がたし」

会社の中で最も重要な部署は、間違いなく人事部だと思います。人事のリーダーさえ優秀であれば、マーケティングでもファイナンスでも優秀な人間を雇うことができます。採用活動だけでなく、人的資源を有効活用するための組織構造、評価制度などの人事システム、組織風土も整備していくでしょうし、社内の人的資源を増やすための有効なトレーニングなども開発することでしょう。

つまるところ、成長する会社とは、人的資源を成長させ続けることができる会社のことです。

・「目的」と「目標」の違い

目的とは達成すべき使命のことであり、戦略思考の中では最上位の概念です。目標とはその目的を達成するために経営資源を投入する具体的な的のことです。

「目的はパリ占領、目標はフランス軍」

 

P121

・良い戦略と悪い戦略

Selective(選択的かどうか):やることとやらないことを明確に区別できているか。

Sufficient(充分かどうか)経営資源がその戦局での勝利に充分であるか。実はSufficientかどうかはSelectiveかどうかと双子の関係にあります。Sufficientでないならば、もっとSelectiveになって、絞り込むことで経営資源を足りるようにせねばなりません。

Sustainable(継続可能かどうか):短期ではなく中長期で維持継続できるか。Sustainableの観点で問題となる例は、競合がすぐに真似をして追随可能となる戦略や、自社の経営資源がすぐに枯渇して継続不能になることがわかっている戦略などです。

Synchronized(自社の特徴との整合性は):自社の特徴(強みと弱み、経営資源の特徴)を有利に活用できているか。

著者の経験則で言えば、すごく上手くいった戦略は、この4つのどれもがまあまあという平均的なものではなく、3つほど当てはまった上にどこかに突出した強みを持つものがホームランになることが多かった。

 

・素晴らしい戦略は相手と自分の差を利用する

良い戦略を立てるために大切なことは、重要な経営資源である「情報」をきっちりと獲得することです。市場、消費者、競合などをよく分析し、4Sに強みを持たせるような経営資源の集中を考えていきます。その際に、できるだけ自社の特徴と主だった競合の特徴を比べてみて、その差を利用する戦略があり得ないか、自身の思考に加重をかけて、よく考えてみることです。

美しい戦略というのは、相手と自分の特徴の差を、自身に有利になるように活用できているものです。強みの裏側には必ず弱みがあります。同じ特徴でも文脈を変えれば強みは弱みにもなります。自信に有利になるように文脈(戦いのルール)を設定すると言った方が適切でしょうか。

オーラルケアの巨人「ライオン」の天下を「サンスター」という勇敢なチャレンジャーが美しく崩したことがあります。サンスターは小ヘッド歯ブラシ(奥歯まで磨きやすい歯ブラシ)を発売してシェアを急速に奪いました。しかし巨人であったライオンはすぐに追随することができなかった。なぜならライオンは歯ブラシでNo.1だっただけでなく、歯磨き粉でもNo.1だったからです。

歯ブラシのヘッドに沿って歯磨き粉を出して使う消費者習慣があるため、小ヘッドの歯ブラシでは歯磨き粉の消費量が減ってしまう。ライオンはできればその方向へ相乗りはしたくなかったのです。サンスターが巨人のジレンマを衝いたことで、ライオンは反撃を決断するまでに時間がかかったと言われています。

 

【読後メモ】TSUTAYA増田氏 銀座の蔦屋書店や蔦屋家電

「アマゾンなどでできることは僕らはやめよう」という、CCC創業者・増田宗昭社長の明確な戦略がある。

 

坪当たりの売上

代官山の蔦屋書店:334,000円/月 300坪 月商1億円(本だけ)

普通の郊外型書店:100,000円/月

 

増田:僕らは本を売っていないんですよ。ライフスタイルを売っている。見た目は一緒ですよね。本は、売っているから。でも、本を仕入れて本を売る小売業と明らかに違うのは、僕らはライフスタイルを提案するために本を使っている。だからライフスタイルに関係のない本は置いてない。

居心地の良い店でライフスタイルを提案することが、消費者が本を買うという行動にどれほど結びつきますか。

増田:代官山の蔦屋書店の坪当たり売り上げは、普通の郊外型の書店の3倍ぐらいあります。本を売っているスペースは300坪ぐらいと決して大きくない。そこで、月商1億円、本だけで売り上げていますよ。

普通の書店の場合、「こういうものを読みたい」というのがあって、来店して探しますね。蔦屋書店では、目的がなく来ても「こんなものがある」という発見が多くあるということですか。

増田:そうです。目的買いならばネットで検索すればいい。うちは発見なんです。価値を提案しているのですから。

 

business.nikkeibp.co.jp

【読後メモ】理解力と人格。

見たい・知りたい・聞きたいという「ゆかし」は理解力を支える動機。 ゆかしという気持ちを持っている人は積極的に相手を知ろうとするので、理解力が強くなっていく人。

自分の意思。

www.1101.com

糸井 あの、ゴハンをご馳走した相手が美味しそうに食べているとうれしいじゃないですか? 河野 うれしいですね。 糸井 つまり、喜びって実は向こう側にある。向こう側が自分に反射して、自分がもっと広がったり深くなったり。その構造の中で、おふたりは人をみていますね。 藤野 ああ。 河野 そうですね。 糸井 人の個をみるときに、「心」という言葉をいれて接しながら仕事をしている、というのがいいですね。

河野 あの、ここ最近、ブランド名よりも自分の大切なことを大事にしたい人が増えていると感じます。そういう人たちは、個人事業や手触り感のある仕事に転職される傾向があって。 糸井 手触り感ですか? 河野 世の中の心をつかむために、自分の意思で仕事ができる場所ですね。生き物っぽい人がたくさんいる、カラフルな。 藤野 そういう会社も増えていますね。 河野 おそらく僕らが長いこと考えてきた、「本当のことってなに?」という問いを考えている人が増えているんですよ。しかも、若いころから。 糸井 おお、それはいいですね。 河野 「本当のことってなに?」を考えられることで他のことに目が向くようになり、そうするともっと知りたい、聞きたいと積極的に動くようになると思います。 糸井 ゆかしの気持ちが強くなるんですね。

【読後メモ】USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 ①

第1章~第3章

20 マーケターは、ビジネスが「伸びる・伸びないの本質」を見極めるのに最も時間と精神力を使わなければなりません。そのビジネスを左右する本質である「衝くべき焦点」を「ビジネスのドライバー」と呼びます。  ビジネス・ドライバーではないということは、その問題解決にどれだけ注力しても、ビジネスは好転しないということです。ビジネス・ドライバーでないことにこだわっても、努力は報われません。  会社の進むべき方向を見極める頭脳としての存在、企業の軍師ともいうべき「マーケター」の最初にすべき最重要な役割は「どう戦うか」の前に「どこで戦うか」を正しく見極めること

変えたのは1つだけ

「消費者視点(Consumer Driven)」という価値観と仕組みにUSJ を変えたことです。USJ が消費者視点の会社に変わったということが、V字回復の最大の原動力だと思います。

 会社がずっと続いていくためには、様々な制約の中で総合的な判断を重ねていくことになります。その難しい判断の起点になるのは、結局のところ「どれだけ消費者価値につながるのか」という一点に尽きるのです。  簡単に言えば、会社側のどんな事情もどんな善意も、消費者価値につながらないのであれば、一切意味がない。

 USJ の今の必勝パターンは、まずマーケティングが消費者が望んでいるものを分析し、何を作るべきかを洞察して決めます。次にそれをどのように作るのかという段階で、クリエイターやプロデューサーらの作り手が必死にアイデアと技術を駆使して作っていきます。エンターテイメントの傑作は彼らクリエイティブな人間たちの創造性抜きには決して生まれません。  製作段階では、消費者の視点から、必要ならば作り手側にダメ出しもせねばなりません。私たちマーケターの仕事は、彼ら天才が努力すべき焦点を明確にすることであり、彼らの才能と努力がビジネスの結果によって報われるように導くことです。

 マーケティングがなぜその役割を担うのかと言えば理由は1つしかありません。マーケターは消費者理解の専門家だからです。マーケティングが特別に偉いわけではないのです。マーケターは消費者の代理人なのです。マーケターは個人的な好みであれこれコメントをしてはいけません。あくまでもターゲットにしている消費者たちがどう感じるかを念頭に、問題点があれば指摘しなくてはいけないのです。

 USJ消費者視点を大切にして、作ったものを売る会社から、売れるものを作る会社にかわりました。究極的に変わったのはこの1つだけ。消費者価値を高めるために会社全体が機能するようになったことだと私は考えています。

もしあなたがマーケターであれば、自分が何を食べたいかは一切関係なく、消費者が何を食べたがっているのかのみを深く洞察しなくてはいけません。消費者がカレーライスを食べたがっているとわかったときに、あなたが取るべき行動は、社内をカレーライス一本でまとめることです。たとえ、社長が「すき焼きが良い」と言っても、決して「カレーすき焼き」を作らせてはいけません。消費者の求めるベストであるカレーライスで押し通す。それができなければ会社を勝たせることができないのです。落としどころは、ほとんどの場合において消費者最適ではありません。

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マーケティングの力で世界を制したアメリカ企業

P&G、コカ・コーラマクドナルドなど。 巨大な自由競争市場のアメリカにおいて、企業が生き残るための消費者最適を担保する知恵を体系立てたもの、それがマーケティング」という実践学なのです。

業績を急回復させる場合はもちろん、長い眼で新卒採用からじっくりマーケターを育てる場合でも、教えられる人間を雇わない限りは始まらないのです。マーケティング力強化のためには、実績のあるマーケター中途採用することは避けられないはずです。というか、変わらざるを得なくなると思います。かつてのUSJ のように、追い込まれた企業が生き残るために変わっていくか、変われないまま市場から消滅していくのか、選択を迫られる時代になっているのです。

56 マーケティング力が必要に迫られることで本当に発達するのは、むしろ技術による商品差別化が困難ないわゆる「ローテク」業界です。わかりやすい例として「水(ミネラルウォーター)」を売ることを想像してみてください。マーケティングの力なしに evian を他ブランドと差別化できますか?

(シャンプーなど)技術革新が少ない中でどうやって競争しているか?ウリカタノ工夫を研ぎ澄ましているのです。消費者をより深く洞察して、商品のコンセプトを変えてみたり、ちょっとだけパッケージを変えてみたり、なんか効きそうに聞こえる有効成分を少しだけ入れてみたり、TVCM を変えてみたり、話題化させる方法を考えてみたり、店頭展開や価格をいじってみたり、生き残るために毎日が必死です。

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「技術」と「マーケティング」の両方を手に入れた企業が勝つ

68 マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。 コントロールすべき消費者との接点は主に3つあります。

①消費者の頭の中を制する ②店頭(買う場所)を制する ③商品の使用体験を制する

①消費者の頭の中を制する 市場を100としたとき消費者が自ブランドを知っている割合を「認知率(Awareness)」と言います。 全てのマーケターが最も留意して頑張っているのは、自ブランドへの消費者認知の獲得なのです。 マーケティングの最大の仕事は、消費者の頭の中に「選ばれる必然」を作ること、そのための活動を「ブランディング」と呼ぶ。

②店頭(買う場所)を制する 配荷率 山積み 価格

③商品の使用体験を制する 消費者の最初の購入を「トライアル」と言います。消費者の頭の中を制して、店頭を制すれば、トライアルまでは取れる可能性は高いと言えるでしょう。しかしながら消費者の2回目以降の購入がなくては中長期でブランドの売上を維持することは難しくなります。2回目以降の購入を「リピート」と言います。このリピート率に最も大きな影響を与えるのが、購入して実際に使ってみた商品の使用体験なのです。

まるで治水工事のように

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消費者が「認知」してから「購入」し、更に「再購入」に達していく、購入に至る流れのことを「パーチェス・フロー(Purchase Flow)」と言います。マーケターはこのパーチェスフローをよく理解して、各ビジネスドライバーをどういじればもっと違う結果が出せるのかを思案せねばなりません。

【購入決定のビジネスドライバー】 認知率 店頭での配荷率 店頭での山積率 購入率 再購入率 平均価格 購入頻度

【例:某イベントの来場者】 Market Size 全国のファン数 500万人 Awareness × 認知率50%(=250万人) Distribution × 関西20%(=50万人) Trial × 購入率(最低6%、できれば10%以上) = 購入人数(最低3万人、できれば5万人) これに平均客単価を掛ければ売上金額となる