ジョブ制とメンバーシップ制
「働き方革命」という本を8年前に出して、時代を先取りすぎて全然売れなかった駒崎さんの投稿「転勤強制は社会の敵」より。
個人的に変えたいと思っているポイントだったので、頷けた箇所をまとめとこ。
===
辞令一枚で転勤させられる国は日本だけ。
他国はジョブ制で、先に働く場所条件の労働契約がある。
日本はメンバーシップ制で、メンバーにするかどうかだけ先に決めて、入社してから辛い条件が次々課される。
以下、見出しと抜粋。
- 結婚・出産・介護しづらく
- ワンオペ育児・ワンオペ介護の量産
- 現地雇用が進まない
- 企業はフリーライダー
- なぜ転勤強制ができるのか
働き方改革の伝道師 小室 淑恵さんはこう語ります。
「実は辞令一枚で転勤させられる国は日本だけなんです。他国はジョブ制なので、先に働く場所条件の労働契約があります。日本はメンバーシップ型なので、メンバーにするかどうかだけ先に決めて、入社してから辛い条件が次々課される。
不必要な転勤を多く課すことで、「お前の代わりなんかいくらでもいるんだぞ」と不安定な状態におき、無理をきかせる社会。そりゃあ少子化にもなります。結婚も切り出せない。」
日本の正社員制というのは、メンバーシップ制度であり、契約に基づいたジョブではないため、「なんでもしてね。じゃなきゃメンバーじゃないよ」ということが可能だ、という指摘です。まさに、日本型雇用の「病」の象徴としての転勤強制なわけです。
優れた個にならねば。
【読記】ZERO to ONE/終盤を制する
自問すべき最も重要な問いを見逃してしまう――「このビジネスは10年後も存続しているか」というものだ。
P74
バイラル成長の可能性があるような市場の中の、いちばん重要なセグメントを最初に支配した会社が、市場全体のラストムーバーとなる。ペイパルはランダムに顧客数を増やすつもりはなかった――最も価値の高いユーザーを最初に獲得しようとした。(中略)ネットオークションでの商品売買を生業にしている人たちだった。
P183
君が仕事を選ぶとしたら、それが数十年後に価値のあるものになると信じて選ぶはずだ。
(中略)
人生はポートフォリオじゃない。
(中略)
重要なのは「何をするか」だ。自分の得意なことにあくまでも集中すべきだし、その前に、それが将来価値を持つかどうかを真剣に考えた方がいい。
【読記】ZERO to ONE/どんなビジネスも答えを出すべき七つの質問
クリーンテクノロジー企業が破綻したのは、どんなビジネスも答えを出すべき七つの質問をなおざりにしたからだった。
1 エンジニアリング
段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか?
2 タイミング
このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
3 独占
大きなシェアがとれるような小さな市場から始めているか?
4 人材
正しいチーム作りができているか?
5 販売
プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
6 永続性
この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか?
7 隠れた真実
他社が気付いていない、独自のチャンスを見つけているか?
ZERO to ONE / p204
目標達成の鍵はプロセス?
1年の目標を立てるときに、読み返した記事。
糸井さんと石川さんの対談はいつも面白いのですが、新たな視点を得ました。
意識を「勝ち負け」ではなく「プロセス」に向けさせる方法に言及していた箇所があり、子どもにも試してみようと思う。
- 石川
- だから、よく大人が子どもに
「大きくなったら何になりたいの?」
と聞いたりしますよね。
だけど、もしかしたら、
その子の能力を伸ばしたいんだったら、
「今日1日でどうなりたいの?」
と聞くほうがいいかもしれないんです。
- 糸井
- つまり、そのときの自分が
ちゃんとできる目標を考えさせるというか。
- 石川
- そうなんです。
うまいコーチや監督は
選手にそういう問いかけかたをするんですよ。
そうやって選手たちの意識を
「勝ち負け」ではなく
「プロセス」に向けさせるんです。
4と7も面白かったのでメモしとこ。
4. データからではなく、アイデアを作る方法。
- 高校までの数学と大学からの数学がまったく違う
- 「演繹法(えんえきほう)」は理系の発想で、原理原則(ファースト・プリンシプル)からスタートする。
- 「帰納法(きのうほう)」 は文系の発想で、大量のデータを集めてそこからアイデアを作る。つい、売れてるものを追いかけるのは、そういうことらしい。
7. 「例外」が本質を教えてくれる。
- 「モデルの時代」だから「1匹目を釣ってみせること」がものすごく大事
- 「例外にこそ本質がある」と思ってるんですね。/‥‥しびれるなあ(笑)
- みんなけっこう「共通項に本質があるんじゃないか」と勘違いしてるんですけど、違うんですよね。本質は例外から見えてくるんです。
プロセスがたのしければ結果はなんとかなるので、1日1日をたのしもう、と。